🏥 健康支援と情報技術

Health Support & IT

高齢化が進む社会において、ICT(情報通信技術)を活用した健康支援・福祉への貢献は重要な研究課題です。 当研究室では、実際の地域活動や臨床現場のデータをもとに、健康状態の把握・可視化・支援につながるシステムの研究開発に取り組んでいます。


元気サポートデータ可視化システム

背景

北海道科学大学の地域連携活動として、高齢者を対象とした健康支援イベント「元気サポート」が継続的に開催されています。 このイベントでは、血圧・握力・歩行速度などの体力測定や、食事・口腔・生活習慣に関するアンケートが実施されており、 参加者一人ひとりの健康状態を多角的に記録しています。

開始以来(新型コロナウイルスの影響による中断期間を含む)、累計372名の高齢者が延べ13回にわたって参加し、 1,300件を超える記録が蓄積されました。こうした縦断的なデータは、 高齢者の健康状態がどのように変化するかを追うことができる貴重な資源です。 しかし、データが大量かつ複雑であるため、蓄積された情報を研究・支援に活かすには専門的な分析が必要でした。

開発したシステム

そこで私たちは、このデータを直感的に探索・分析できるWebアプリケーション(元気トラッカー)を開発しました。 ブラウザ上でグラフや表を操作しながら、参加者全体の傾向や個人の変化を視覚的に確認することができます。

主な機能

  • 全体概要:参加者数・年齢分布・性別構成などの基本統計を一目で確認
  • 参加状況の追跡:各回への参加・欠席パターンや継続率をマトリクスで可視化
  • 健康指標の経時変化:血圧・握力・歩行速度など300項目超の変化を折れ線グラフで表示
  • 個人プロフィール:参加者IDで検索し、その方の各回データと全体の中での位置づけを確認
  • フレイル(虚弱)評価:定義に基づくフレイル・プレフレイル・健常の分類と分布を表示
  • 口腔と全身の関連分析:口腔機能と他の健康指標との相関を統計的に分析
  • 熱中症リスク評価:生活習慣や測定値から熱中症リスクを推定・可視化
  • クラスタリング分析:似た健康プロファイルを持つ参加者グループの自動識別

研究としての意義

本研究の特徴は、地域に住む高齢者の実際の活動データを対象としている点です。 データの可視化・分析ツールを整備することで、研究者や支援スタッフが効率よく知見を引き出せる基盤を構築しています。 今後は分析結果を、イベントの運営改善や参加者へのフィードバックにつなげることを目指しています。

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